学校コンサルテーションのすすめ方──アドラー心理学にもとづく子ども・親・教職員のための支援
浅井健史・箕口雅博訳(3,000円+税)ISBN978-4-86616-086-3◆アメリカの学校臨床心理学とアドラー心理学を牽引するドン・ディンクマイヤー・ジュニアらによる学校コンサルテーションの実践入門の1冊です。本書は,チームやコミュニティへの支援に有効な知見が多いアドラー心理学をベースにしたコンサルテーション理論を展開し,具体的な介入にまで詳細に解説した手引書となっており,経験やスキルの不足を大いに補うものになっています。米国で1973年に初版を刊行し,現在は4版まで出ているロングセラーがコミュティ心理学とアドラー心理学の2人の訳者によって刊行されました。
子どもの心と学校臨床第17号 ――特集 スクールカウンセラーの「育ち」と「育て方」
本間友巳・川瀬正裕・村山正治編(1,400円+税)ISBN978-4-86616-035-1◆本誌は,教師・養護教諭・スクールカウンセラーなどの学校関係者,研究者を読者層とした,日本で唯一の学校臨床の実践と理論をめぐる専門誌です(年2回発行;毎年2,8月)。今回の特集は,本間 友巳, 川瀬 正裕, 村山 正治編による,「特集 スクールカウンセラーの「育ち」と「育て方」です。日本の公立学校にスクールカウンセラー(SC)が導入されるようになってから22年を経過しました。しかしいまだに1年ごとの任用がベースです。そうした状況でSCがどう育つのか,キャリアや能力をどのように育てていくのかを考えます。他に連載多数あり。
子どもの心と学校臨床第16号 ──特集 スクールカウンセラーの個人面接:学校コミュニティの中での実践と課題
福田憲明編(1,400円+税)ISBN978-4-86616-029-0◆本誌は,教師・養護教諭・スクールカウンセラーなどの学校関係者,研究者を読者層とした,日本で唯一の学校臨床の実践と理論をめぐる専門誌です(年2回発行;毎年2,8月)。今回の特集は,福田憲明先生(明星大教授で,スクールカウンセラーとして20年以上のキャリアを持つ)による,「特集 スクールカウンセラーの個人面接──学校コミュニティの中での実践と課題」。集団を意識しつつ,いかに個人面接をするのか。このバランスが大変に難しいと言われています。他に連載多数あり。
『非行臨床における家族支援』
(福島大学大学院人間発達文化研究科・教授)生島浩著(2,800円+税)ISBN978-4-86616-012-2◆非行少年の立ち直りには,本人への影響が大きい家族への支援が不可欠である。家族をエンパワーメントするには,非行の原因探しをしたり家族の変容を求めたりするよりも,立ち直りのストーリーへ家族の参画を促してゆく,すなわり「家族を手立てとする」アプローチが有効となる。その具体的な方法として本書では,家族システム論に基づくシステムズ・アプローチの理論と実際を詳述している。
非行からの立ち直りには,子どもの発達を待ち,立ち直りの契機となる人物との出会いを保障する「時間稼ぎ」が欠かせない。そのために,本人や家族が息切れしないように危機介入を行いつつ,本人・家族が「そうはいっても致し方ない」という境地に至るよう支援してゆくのである。
本書は,著者の30年あまりの臨床実践から導かれた非行臨床における家族支援の要諦をまとめたものである。非行臨床に携わるすべての人に役立つ「使い勝手の良い」一冊。