子どもの心と学校臨床第17号 ――特集 スクールカウンセラーの「育ち」と「育て方」
本間友巳・川瀬正裕・村山正治編(1,400円+税)ISBN978-4-86616-035-1◆本誌は,教師・養護教諭・スクールカウンセラーなどの学校関係者,研究者を読者層とした,日本で唯一の学校臨床の実践と理論をめぐる専門誌です(年2回発行;毎年2,8月)。今回の特集は,本間 友巳, 川瀬 正裕, 村山 正治編による,「特集 スクールカウンセラーの「育ち」と「育て方」です。日本の公立学校にスクールカウンセラー(SC)が導入されるようになってから22年を経過しました。しかしいまだに1年ごとの任用がベースです。そうした状況でSCがどう育つのか,キャリアや能力をどのように育てていくのかを考えます。他に連載多数あり。
対象関係論の源流――フェアベーン主要論文集
W. R. D. Fairbairn著、相田信男監修、栗原和彦編訳(5,000円+税)ISBN978-4-86616-031-3◆「対象関係論」という言葉を初めて用い,フロイト以後の精神分析学の理論的な整備と発展に大きく寄与した独創的な臨床家フェアベーンの主要論文集。
フェアベーンは,フロイトやクラインの主張に対して,「リビドーは一義的に快楽を求めているのではなく対象を求めている」「こころの基本的なポジションは常にスキゾイド的なポジションである」と主張した。
臨床経験に根ざした独自の視点から,より治療的・臨床的な道具としての精神分析を目指した孤高の精神分析家の思索を辿る。
読んでわかる やって身につく 解決志向リハーサルブック──面接と対人援助の技術・基礎から上級まで
龍島秀広・阿部幸弘・相場幸子・解決のための面接研究会著(2,200円+税)ISBN978-4-86616-034-4◆この本は,解決志向アプローチの「練習」のために作られた本です。
世界で一番簡単で,なおかつ,うまく問題が解消するという心理支援法「解決志向アプローチ」。心理臨床や医療分野はもとより,教育やビジネスでの応用も進んでいますが,やはり習得にはちょっとしたコツが必要。
わかりやすい解説はもちろんのこと,「やってみる」ワークも盛り沢山で,1人でも2人でもグループでもリハーサルできちゃう素敵な本です。
緊急支援のためのBASIC Phアプローチ ――レジリエンスを引き出す6つの対処チャンネル
ムーリ・ラハド,ミリ・シャシャム,オフラ・アヤロン編、佐野信也・立花正一監訳、新井陽子・角田智哉・濱田智子・水馬裕子・丸田眞由子・岡田太陽・柳井由美訳(3,600円+税)ISBN978-4-86616-030-6◆イスラエルで市民のストレスケアと予防に取り組んできた中で生まれた援助モデル「BASICPh(ベーシックピーエイチ)」。本書はその理論と方法,紛争地や被災地における実践を詳解しています。
人は危機に直面した時,様々な対処(コーピング)方法を用いており,それは,Belief(価値・信念),Affect(感情・情動),Social(社会的),Imagination(想像),Cognition(認知),Ph ysiology(身体)の6つのチャンネルに分類できます。BASICPhモデルとは,そのチャンネルに合わせた支援を行うことで,危機にある人々のレジリエンスを引き出す援助アプローチです。
子どもの心と学校臨床第16号 ──特集 スクールカウンセラーの個人面接:学校コミュニティの中での実践と課題
福田憲明編(1,400円+税)ISBN978-4-86616-029-0◆本誌は,教師・養護教諭・スクールカウンセラーなどの学校関係者,研究者を読者層とした,日本で唯一の学校臨床の実践と理論をめぐる専門誌です(年2回発行;毎年2,8月)。今回の特集は,福田憲明先生(明星大教授で,スクールカウンセラーとして20年以上のキャリアを持つ)による,「特集 スクールカウンセラーの個人面接──学校コミュニティの中での実践と課題」。集団を意識しつつ,いかに個人面接をするのか。このバランスが大変に難しいと言われています。他に連載多数あり。
森俊夫ブリーフセラピー文庫②効果的な心理面接のために──サイコセラピーをめぐる対話集
森俊夫ほか著(2,600円+税)ISBN978-4-86616-017-7◆万年 東大医学部助教にして元役者,ブリーフセラピー系心理士にして,東京・吉祥寺に日本全国から人が集まるKIDSカウンセリングシステムを立ち上げた森俊夫は,2015年3月に57歳で永眠した。本書は,森の死の直前に行われた名臨床家たちとの対談集。「効果的に,早く治す」ことを志し,新しい心理療法の世界を切り開いてきた仲間たち──吉川悟,山田秀世,遠山宜哉,西川公平,田中ひな子,児島達美らが登場し,黒沢幸子もまじえて,セラピストの成長や心理療法,対人援助に関する叡智について存分に語る。
自分描画法の基礎と臨床
小山充道著 (4,600円+税)ISBN978-4-86616-020-7◆落書きをヒントに発想され,幼児から高齢者まで3,000人を超える人々に描いてもらった自画像のフィールド研究から生まれた「自分描画法」。この臨床活用から基礎調査までの全貌をまとめたのが,本書『自分描画法の基礎と臨床』です。
自分描画法は,クライエントの心の質的分析に役立つ心理査定道具という面だけではなく,心理面接をスムーズにしたり,クライエントの自分への振り返りを比較的短時間に,かつ大きな抵抗もなく深められるという特性をもちます。
心理療法そのものとフィットしたアセスメント法である本法を詳解したこの本は,読者の日常の臨床に大きな影響を与えることでしょう。