思春期のための認知行動療法ワークブック──自分の気持ちと行動のトリセツをつくろう
思春期のための認知行動療法ワークブック──自分の気持ちと行動のトリセツをつくろう
| 著者 | 細川大雅 |
| 出版年月 | 2025年9月 |
| ISBN | 978-4-86616-233-1 |
| 図書コード | C3011 |
| 判型 | B5判・並製 |
| ページ数 | 144 |
| 定価 | 2,000円(+税) |
内容紹介
本書は,「毎日イヤなことばっかり」「何をやってもうまくいかない」そんなモヤモヤした気持ちをとらえて,自分のための行動を取れるようになることを目指した思春期の子どもたち向けのワークブックです。
これまで3,000人以上の中高生を支援してきた思春期発達専門クリニックの精神科医が,認知行動療法のスタンダードなワークを,子どもたちが飽きずに取り組めるように,イラストを多用したわかりやすいワークシートに仕上げました。
医療現場だけではなく,学校や教育関連の相談室,福祉関係の施設などでも明日からすぐ使える,ワークたっぷりの認知行動療法の新しいベーシックブックです。
主な目次
第1部 気持ち編 ネガティブな感情に振り回されないようになる
〇感情理解
〇認知行動療法(CBT)理解
〇認知・感情
〇自動思考
〇認知のクセ
〇認知再構成法(3コラム)
第2部 行動編 自分のための行動を取れるようになる
〇行動分析
〇スモールステップ
〇活動記録
〇行動活性化
〇ストレス対処
〇リラックス法
〇問題解決法
はじめに
つらい気持ちや状況への対処に「認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy: CBT)が役に立つ」,そのように言われてしばらくになります。認知行動療法は科学的なエビデンスがある効果的な治療法として,医療や心理相談の分野で広まりつつあります。
しかし,その対象は主に治療に意欲的な大人であり,学校現場などで思春期のクライエントを相手に使うには,若年者の理解力・言語力・内省力・意欲,そしてカウンセラー側の手間の面などで課題があり,使用は限られていました。思春期向けの認知行動療法ワークシートも,海外のものが翻訳されて紹介されてはいるものの,日本の学校の文脈にはそぐわないことから使い勝手に難がありました。
そこで,「認知行動療法が役に立つのはわかっているけれど,ハードルが高くてできない」,「支援者やクライエントが気軽に取り組めるツールはないだろうか」,「中高生からでも意欲をもってやってくれそうな日本の思春期向けのワークシートがほしい」という声に応じて,このワークブックは生まれました。
このワークブックは,思春期向けの認知行動療法ワークシートとして当院で開発され,実際に医療現場や学校現場で中高生クライエントを対象に使用を重ねながら,ブラッシュアップされてきたものになります。内容は中学生からできる取り組みやすいものとなっており,中学生・高校生を主な対象とし,大学生までをカバーしています。相談室や診察室での1対1の個別対応を中心に少人数グループまで対応する,教育・医療・心理の現場ですぐに使えるワークブックです。
ポイント
・短時間のカウンセリングでも使える,「コンパクトさ」
・中高生にもわかりやすい内容で文字も少ない,「簡潔さ」
・やる気がなくても取りかかりやすい,「ハードルの低さ」
・舞台を学校とした,「身近さ」
・中学生から使え,発達障害のある人でも使える,「汎用性」
・カウンセラーが明日からすぐ使える,「手軽さ」
・とっつきやすくても,ちゃんと認知行動療法である,「認知行動療法らしさ」
認知行動療法にはさまざまな技法がありますが,今回はそのなかでも現場で使う可能性が最も高く,幅広いクライエントに適用可能な汎用性の高いスキルを用意しています。からだの問題(不眠・腹痛・朝起きれないなど)に対する調整スキル,生活上の問題(不注意・忘れ物・計画性の乏しさなど)に対する実行機能スキル,人間関係の問題(空気が読めない,友だちが作れないなど)のコミュニケーションスキル,疾患特異的な問題(パニック・確認強迫・リストカットなど)に対する治療スキルについては,いずれ改めて案内したいと思います。
細川 大雅
著者略歴
細川大雅(ほそかわ・たいが)
東京大学医学部卒・東京大学大学院卒(医学博士)
精神科専門医・精神科専門医指導医・精神保健指定医・産業医・公認心理師
思春期精神医学を専門とし,思春期発達研究所所長・学校医も務める
東大病院精神神経科,初石病院,内閣府,米国ハーバード大学医学部精神科研究員,土田病院副院長を経て,思春期発達専門のストレスケア東京上野駅前クリニック(東京都台東区)を開業し,認知行動療法をもとに3,000人以上の中高生を支援してきた。
その支援のなかで開発された思春期向け認知行動療法ワークシートから生まれたのが本書である。本書の制作にあたり,思春期の視点から無数の手厳しくも的確なフィードバックを寄せてくれた中高生のクライエントら,そして,2人の娘に感謝している。
著書に『文脈的認知行動療法に基づいて専門医が教える 思春期の行動を引き出す対話法』(精神看護出版)等がある。
新刊案内
「遠見書房」の書籍は,こちらでも購入可能です。

最寄りの書店がご不便、あるいはネット書店で在庫がない場合、小社の直販サービスのサイト「遠見書房⭐︎書店」からご購入ください(store.jpというECサービスを利用しています)。商品は在庫のあるものはほとんど掲載しています。












