N:ナラティヴとケア 第8号 オープンダイアローグの実践

N:ナラティヴとケア 第8号

特集:オープンダイアローグの実践
野村直樹(名古屋市立大学)・斎藤 環(筑波大学)編

「オープンダイアローグ(OD)」を日々の実践に活かしている人たちがいます。フィンランドで生まれたODをそのまま日本に持ち込むことはなかなかできませんが,その哲学と方法の一端を利用することは十分可能です。しかし気をつけねばならない落とし穴はないものでしょうか? そうした一歩先を行く実践者たちのODと,ODに似ている日本の実践をその第一人者たちにまとめてもらいました。日本の精神医療を代表する豪華な執筆陣。

年1回発行(毎年1月)
定価1,800円(+税)、112頁、B5判・並製
ISBN978-4-86616-026-9 C3047
ISSN 1884-6343


目  次

第8号 目次(予定・敬称略)

特集:オープンダイアローグの実践(野村直樹・斎藤 環 編)

はじめに──「開かれた対話」の世界へようこそ ■ (名古屋市立大学)野村直樹

オープンダイアローグ:日本で実践可能か?──ACT-Jにおける対話的臨床実践の試み ■ (リカバリーサポートセンターACTIPS/訪問看護ステーションACT-J)下平美智代

オープンダイアローグを日々の実践に落とし込むために──Need-Adapted Approach ■ (みどりの杜クリニック)森川すいめい

オープンダイアローグという会話のつぼ ■ (Nagoya Connect & Share)白木孝二

オープンダイアローグを殺さないための二様のリフレクティング ■ (広島国際大学)矢原隆行

オープンダイアローグをACTに取り入れる ■ (たかぎクリニック)高木俊介

心理職はなぜオープンダイアローグを避けるのか? ■ (原宿カウンセリングセンター)信田さよ子

オープンダイアローグ,どこまでやれるのか ■ (首都大学東京/神戸労災病院)長沼葉月・植村太郎

「患者カルテ」を使ったオープンダイアローグ──精神科看護の専門性をめぐって ■ (日本赤十字豊田看護大学)坪之内千鶴

オープンダイアローグ・パターンをつくる──実践の支援と教育・組織分野への応用に向けて ■ (慶應義塾大学)井庭 崇

ビジネスにおけるオープンダイアローグ ■ (大阪ガス エネルギー・文化研究所)鈴木 隆

しつけか虐待か──協働するナラティヴあるいはオープンダイアローグの可能性とは ■ (名古屋市立大学)門間晶子

沈黙と言葉──西アフリカの小児科病棟におけるすれ違いとオープンダイアローグへの考察 ■ (国際協力機構)井田暁子

自殺希少地域のコミュニティ特性に見出した,オープンダイアローグとの共通点 ■ (和歌山県立医科大学)岡 檀

オープンダイアローグと精神科文化 ■ (山梨学院大学)竹端 寛

ソーシャルネットワークの復権 ■ (東京学芸大学)野口裕二

走りながら考える──あとがきに代えて ■ (筑波大学)斎藤 環


編集後記:

編集後記:
テクノロジーによって現代社会ではデジタル化が進んでいる。その恩恵は計り知れないが,私たちひとり一人にも,デジタル化,記号化が進む,マイナンバー制のように。私たちは,単一の「記号」に置き換えられてしまいたくない。私たちは本来「暗号」なのだと思う。それを多様に読み解く一方法が対話ではないかと思う。
オープンダイアローグの実践に向けて組んだこの特集号はいかがだったでしょうか。著者の方々の報告はどれも現在進行形であり,近い将来さらに進化していくことと思われる。異なる職種,異なる視点からオープンダイアローグについてのさまざまな期待や考え方を語ってもらった。会話という行為の持つ豊かさを読者のみなさんと育てていけたらと願う。(野村直樹)

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