はり灸師が教える ツボ刺激による自己ケア──皮膚から検索・疾患別アプローチ

『はり灸師が教える ツボ刺激による自己ケア』
──皮膚から検索・疾患別アプローチ

河村廣定 著

定価2,000円(+税)、162頁、四六版、並製
C0047 ISBN978-4-904536-40-7

精ツボ(反応点)を刺激して自分で治す
ハリを使わない新しい鍼灸法

この本は,反応点=ツボ刺激を行うことでさまざまな疾患が改善する新しい鍼灸のメソッド「反応点治療」を,だれにでもできるように紹介したものです。
反応点治療は,著者の河村先生により体系化された方法論で,指やローラーなどでツボを刺激するだけで,からだのコリ,偏頭痛,疼痛や内臓疾患などさまざまな病気や障害が改善するとされます。
本書では,だれでもできるよう,部位+疾患別にセルフケアのやり方を,絵と文でわかりやすく説明しました。
生活のなかに反応点治療による「手当て」を入れてみませんか?

本書の詳しい内容


おもな目次

1 ツボ刺激とは

2 身体各部のつらさと手当【頭部・顔面部】
1.片頭痛
2.三叉神経痛
3.顔面神経障害
4.鼻炎
5.目のつらさ
6.咽頭炎
7.いびき
8.難聴・耳鳴り
9.立ちくらみ・平衡失調
10.パーキンソン病
11.認知症・記憶力と受験生

3 身体各部のつらさと手当【頚部・胸部・背部】
1.むち打ち症
2.脊柱管狭窄症
3.肩こり
4.五十肩
5.背部の痛み
6.肋間痛
7.帯状疱疹後の神経痛
8.風邪
9.胸痛と心臓

4 身体各部のつらさと手当【腹部】
1.胃腸障害
2.肝臓病と胆のう疾患
3.糖尿病
4.痛風(腎臓)

5 身体各部のつらさと手当【下腹部】
1.頻尿と尿もれ(泌尿器)
2.不妊
3.生理痛

6 身体各部のつらさと手当【腰部・下肢】
1.腰痛
2.ギックリ腰
3.椎間板ヘルニア
4.坐骨神経痛
5.膝関節痛
6.こむら返り

7 その他のつらさ
1.貧血
2.むくみ
3.だるさ
4.しびれ
5.アトピー性皮膚炎・肌の荒れ
6.自律神経障害
7.ストレスとこころ
8.小児疾患

8 痛みはどのように発症するのか
1.痛みのメカニズム
2.痛みやつらさはこうしてやって来る

9 鍼灸治療と鎮痛

10 反応点にローラー鍼を用いる
1.反応点治療の特色
2.反応点の信用性について
3.反応点はなぜ現れるか

エッセイ はり灸院から
高田幸枝/中間善也/野口恵美/梁 茂寛/清水基子/岸本直樹/海老池直嗣/河村みゆき/森川真二/黒田耕生/舟橋寛延


はじめに

子どもの頃を振り返ると,父母の働く姿は今日を生きることに一生懸命で,自分の健康に気を配る余裕は少なかったと思います。つらさをこらえて子育て に奮闘していたのでしょう。そんな姿はどこの家庭にも見られましたが,経済成長が訪れると生活環境は改善され,同時に親の意識も変わって行ったように私の 目に映りました。
医療においても,普及の時代から高度医療へと,すなわち量的価値から質的価値へと,そして,よりハイレベルな医療へと人々の関心は移ってきました。にもか かわらず,私たちの周りには体の不調に悩む人々がたくさんおられます。一見して,矛盾した現実をどのように考えたら良いのでしょうか。
医療は医学の進展に伴って進歩してきましたが,全ての医療分野が一様に発展して来たわけではありません。生命に直接関わる分野の発展に比べて,日常的に見 られる身近な疾病が置き去りになっていることが多々あります。つまり,癌などの治療に比べて,耳鳴りや痛みなど,日常的な疾病の治療法が開拓されていない ことです。
もうひとつは,医学と人との乖離です。ひとつひとつの疾病を理解しようとする医学は,個人に宿る複数の疾病を全的に理解することが苦手のようです。高齢者 が数種類の薬物を服用しているように,個々の疾病に対する治療はあっても,複数のつらさを総合的に治療することが不得手のようです。このような医療への疑 問が,人々の不安材料となっているように思えます。
そこで本書は,医療や医学の隙間で苦しむ方,膨大な医学情報に溺れようとしている人など,健康への不安を持つ人に読んで頂きたいと念願して執筆しました。
以前に,こんなことがありました。鍼灸治療によって一度治まったつらさが,再びぶり返すこともあります。そんなとき患者さんにご家庭でのツボ刺激法をお勧 めすると,痛みをはじめ,難聴,耳鳴り,めまい,自律神経障害などが,飛躍的に解消されました。快方へと向かう患者さんの姿にわくわくとした気持ちを覚え たことを思い出します。そんな経験から,ご家庭でできる健康づくりのひとつとして,ツボ刺激法を紹介したいと思います。
本書は,皮膚と深部との関連から皮膚に現れる生体反応を診断に用いる点,そして内臓の診断点などを,大村恵昭著『図説バイ・ディジタルO-リングテストの 実習』を参考にし,筆者の経験を踏まえて開発した反応点治療の家庭版とも言うべきものです。主として脊髄反射(自律神経反射)をテーマに,どなたでも手軽 にできる手当てを紹介しています。是非,読者の皆さんの健康づくりに役立てて欲しいと存じます。便利さと有効性を体験していただけるならば幸いです。そし て,1人でも多くの方が苦しみから解放されることを願っています。


著者略歴

河村廣定(かわむら・ひろさだ)
1949年生まれ,長野県下伊那郡阿南町新野で幼少期を過ごす。陸上自衛隊少年工科学校・専修大学・早稲田鍼灸専門学校を経て鍼灸師として活動する。岐阜市でサンリ治療院を開業する傍ら朝日大学歯学部で研究に従事し,博士(歯学)の称号を授与される。
(社)岐阜県鍼灸会会長を歴任し,現在は神戸東洋医療学院学科長として勤務する傍ら,かわむら鍼灸院に勤務している。また反応点治療研究会を創設し顧問として活躍。

主な著書
反応点治療」医道の日本社,2005,「鍼灸最前線」医道の日本社,1997(共著),「鍼灸臨床の科学」医歯薬出版,2000(共著) その他,鍼鎮痛効果を誘発する末梢神経,痛みと鍼灸刺激に関する基礎分野の研究報告,並びに,パーキンソン病・頻尿・めまい・自律神経失調症などに関する臨床分野の研究論文を多数報告している。

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