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表紙

教員のための研究のすすめ方ガイドブック
──「研究って何?」から学会発表・論文執筆・学位取得まで

瀧澤 聡・酒井 均・柘植雅義著

定価1,400円(+税) A5判 108頁 並製

ISBN978-4-86616-087-0 C0011
2019年6月発行

類書→『投映法研究の基礎講座』『専門家のための「本を書こう!」入門

日々の実践を深めたい,自分の行っている授業研究や取り組みを広めたい。そんな教師・教育関係者のために作られたのが,本書「研究のすすめ方ガイドブック」です。
研究のABCから,研究の方法論,小さな研究会でのレジメ発表,大規模学会でのポスター発表,学会発表,論文執筆,学位取得までコンパクトに紹介。
教員個人のなかの「子どもたちのために」という小さな気持ちを,大きく社会に広げられるのが研究の持つ力の一つ。自らも成長をしていく,ためにもなる1冊です。


目 次

理論編
1-1 研究って,何?
1-2 なぜ研究をするの?
1-3 研究の方法
1-4 学術学会デビュー:とにかく見に行こう!
1-5 学術学会会員になるために
1-6 発表の型
1-7 論文について
1-8 先行研究(文献レビュー)はなぜ大切?
1-9 論文作成のためのツール:先行研究収集も含めて

実践編
2-1 研究を始めるには?
2-2 先行研究の調べ方は?
2-3 仲間をあつめよう
2-4 学会発表するには?
2-5 口頭発表の仕方は?
2-6 ポスター発表の仕方は?
2-7 自主シンポジウムの仕方は?
2-8 研究論文とは
2-9 論文(原著)の書き方
2-10 資料の書き方
2-11 実践報告について
2-12 研究倫理とは何か

展開編
3-1 大学院に進学するには?
3-2 学位(修士号・博士号)をめざすとしたらどうする?

付録(研究方法概説)


著者紹介

瀧澤 聡=北翔大学准教授
略歴 学校法人ゆかり文化幼稚園,札幌市立小学校通級指導教室(言語障がい・発達障がい)などを経て,2014年4月より現職。博士(作業療法学)。主に,第1章 理論編(基礎編),第3章 展開編(さらに研究したい人のために)を担当。

酒井 均=筑紫女学園大学 教授
略歴 社会福祉法人「しいのみ学園」児童指導員,筑紫女学園短期大学,筑紫女学園大学などを経て,2002年4月より現職。修士(文学)。主に,第2章 実践編(応用編)を担当。

柘植雅義=筑波大学人間系教授
略歴 国立特別支援教育総合研究所,カリフォルニア大学UCLA,文部科学省,兵庫教育大学,国立特別支援教育総合研究所などを経て,2014年4月より現職。博士(教育学)。主に,付録を担当。


はじめに

幼稚園,小学校,中学校,高等学校,そして特別支援学校の先生方の中には,いつか学術研究会や学会で研究成果を発表したり,それを論文にまとめてみたいなあという願いや期待等を持っている方がいると思います。でも,日々仕事で多忙の中,「そんなことできるのかなあ?」「どうしたら上手くできるのだろう」「そんなこと考えるだけ無駄かな」等と疑問や諦めが立ちはだかり,「よし研究やってみよう」と一歩を踏み出せずにいる方は意外に多いのではないでしょうか。その背景には,研究活動の意義が見出せなかったり,それを単に難しそうと思い込んでいたり,その全体像がつかめず妙な不安に陥ったり等とさまざまな要因が考えられるでしょう。
本書は,そのような学校の先生方が,「研究って,楽しそうだな」「自分にもできるような感じがする」「研究のイメージが変わった」等と研究活動に対して前向きに取り組めるきっかけ作りになることを願って企画されました。
特に,本書の内容として,我が国の全ての学校で特別支援教育が実施され,学校の先生方がインクルーシブ教育の推進を担う時代となりましたので,通常学級の先生方が,特別支援教育の研究にスムーズに取り組めるようにしました。特別支援教育が抱える課題は多くあり,それらを改善したり解決に向けて対応したりすることが全ての学校の先生方に期待されています。そのためには,誰もが納得できる学術研究の営みが大きな力を発揮してくれるのですが,「研究」と聞いただけで,尻込みしてしまう方は多くいます。本書では,それを乗り越えて頂けるような基本的なノウハウと考え方等を示しています。本書を手にとって学術研究の基本を知ってもらえたらと願っています。
なお,本書は,幼稚園から高等学校そして特別支援学校の現役の先生方を想定して執筆されましたが,教員を目指している短大生,大学生そして大学院生や,学術研究に取り組んでみたい教育領域以外の方々にも役に立つ内容となっています。本書を通して学術研究に取り組みたいというきっかけが生み出されたら,大変有り難いことです。

瀧澤 聡

おわりに

この本は瀧澤先生が,教員が研究を始めるにあたってわかりやすいガイドが日本にないのはなぜ? という疑問を柘植先生に尋ねたところから始まりました。海外にはそのようなものはあるが日本にはないということで,それでは瀧澤先生に大まかなプロットを作ってみたらと勧め,できたプロットを基にどうしようかと酒井に相談したのが,3人で執筆しようとなった経緯です。
最初は3部作にしようかとか,おまけをつけようか(3人が論文指導をするサービス券を巻末に入れよう)など,とんでもないことまで含めて議論し,結局,基礎編を瀧澤先生が担当し,実践(応用)編を酒井が担当,研究法の解説を柘植先生が担当するという形に落ち着きました。
さて,お互いの原稿を持ちより見ていく中で,これは現場の先生に見てもらいわかりやすく修正してもらうことが必要なのではないかという意見が出ました。そこで柘植先生の教え子の3人の先生方に原稿を見てもらい,加筆・修正をおこなって出来上がったのが本書です。
手に取っていただき,最初から見ていけば,大まかな研究の流れや,論文等の執筆に関することまで,研究入門としてのガイドブックにはなっているかなと思います。
この本を手に取っていただき,研究ってこうやっていくんだ,研究って面白いかもと思っていただければ幸いです。
最後に,遠見書房の山内様,柘植研究室のゼミ生の方々,原稿を読んで修正や意見を述べていただいた3人の先生方に感謝申し上げます。

酒井 均