公認心理師基礎用語集 改訂第3版──よくわかる国試対策キーワード

公認心理師基礎用語集 改訂第3版
よくわかる国試対策キーワード

(名古屋大学名誉教授)松本真理子・(名古屋大学教授)永田 雅子 編

2,200円(+税) 四六判 並製 288頁  C3011 ISBN978-4-86616-141-9

増ページした必携・必読のキーワード集!

大好評の用語集の改訂第3版です。117項目(第1版),122項目(第2版)から大幅に増え,ブループリントに掲載された用語を139項目のキーワードにまとめ,第一線の実践家・研究者がわかりやすく解説をしています。ポケットサイズでどこでも読める,必携,必読の1冊。


はじめに

本書は,2018年8月に発刊した『公認心理師基礎用語集117』の増補改訂版である『公認心理師基礎用語集─増補改訂版』(2019年)をこの度,再度の全面改訂版として発刊するものです。改訂の背景には,本書が発刊以来大変に好評であり,多くの皆様にご利用いただいていることがあります。より一層の良書にすべく今回の全面改訂第3版となりました。
平成29(2017)年9月16日,国家資格である公認心理師法が公布されました。翌平成30(2018)年9月には第1回資格試験が実施され,50,000名を超える公認心理師が誕生するのも間近な状況です。初版となる用語集は,法律の公布から初回試験までの期間が短く,受験される方々にとって,少しでもお役に立てるキーワード集があれば,という思いから急遽刊行に至ったものです。
公認心理師試験も回数を重ねるごとに,次第に試験傾向も明らかになってきたかと思います。基本はブループリントのキーワードを中心に勉強することであると思いますが,公認心理師資格が広い領域を網羅する職種であることから,試験問題も幅広い知識を要求されるものとなっています。本書は,こうした傾向に対応し,また公認心理師として業務する上で,最低限知っておきたい基礎知識をコンパクトにまとめ,効率的に勉強できるものとなっております。通勤の往復の道すがら勉強できるようにハンディサイズとするなど,各所に工夫を凝らしております。
本書の特徴は以下となっております。特に今回,1)と4)を重点的に新規改訂しております。

1)ブループリントに挙げられた項目で重要であると考えられる項目に加え,最低限,知っておきたいキーワードを網羅。これらは本文や表中で太字として解説され,各頁端にKにキーワードとして残し,さらに,巻末にキーワード索引をつけています。
2)基礎知識の習得を目的として,コンパクトな解説を心がけています。詳細な知識については,キーワードを中心に,参考図書等によって補足してください。
3)巻末に公認心理師法を掲載しています。重要な法律ですので必ず目を通しておいてください。
4)覚えたおきたい人名索引(英語表記)と心理学用語の略語(英語表記)索引を巻末につけています。試験においても公認心理師業務においても重要ですので覚えておいてください。
5)文中には,関連するページを(→①1)のように記載し,合わせて学習できるようにしています。

本書が,試験対策のみでなく将来心の専門家として活躍する皆様にとって,役に立つ基礎知識を習得する機会となるのであれば,編者として望外の喜びです。
最後に2度目の全面改訂にも惜しみなくご協力いただいた執筆者皆様と,改訂版の刊行にご理解ご尽力いただきました遠見書房 山内俊介社長に心より感謝申し上げます。

令和4年 春  編  者 (松本真理子・永田雅子)



主な目次

①公認心理師としての職責と自覚
1:公認心理師の役割
2:法的義務・倫理
3:情報の適切な扱い
4:多職種連携・地域連携
②問題解決能力
1:公認心理師の資質向上
③心理学の全体像
1:心理学・臨床心理学の歴史
④臨床心理学の全体像
1:臨床心理学のアプローチ
2:支援モデル
⑤心理学研究
1:研究倫理
2:量的研究
3:質的研究
4:観察法
5:統計法
6:統計基礎知識
⑥心理学実験
1:計画の立案
2:研究の手続き
3:報告書の作成
⑦知覚・認知
1:感覚
2:知覚
3:乳児を対象とした実験
4:記憶
5:思考/推論
6:思考/問題解決
⑧学習・言語
1:条件づけ
2:学習
3:言語理論
4:言語発達
5:言語障害
⑨感情・人格
1:感情喚起
2:感情が行動に及ぼす影響
3:感情理論
4:人格の概念・形成過程
5:人格の類型・特性
⑩脳・神経
1:神経細胞の構造・神経伝達物質・末梢神経系
2:脳神経系の機能
3:高次脳機能の生理学的反応機序と脳機能の測定
4:高次脳機能障害と必要な支援
⑪社会・集団・家族
1:集団意識・集団行動
2:対人関係
3:人の態度・行動
4:家族とは
5:集団・文化
⑫発達
1:認知機能の発達
2:知能の構造
3:社会性の発達
4:他者との関係
5:自己
6:ライフサイクル論
7:非定型発達
8:加齢
9:高齢者の生活の質
⑬障害児・障害者
1:障害のとらえ方
2:障害とは
3:心理社会的課題
4:支援法
⑭心理アセスメント
1:情報の把握と手法
2:アセスメントの手続き
3:観察
4:人格検査(質問紙法)
5:人格検査(投映法)
6:状態・不安検査,適正検査
7:描画法
8:知能検査
9:発達検査
10:神経心理学検査・作業検査
⑮心理支援
1:力動論(精神力動理論)
2:人間性アプローチ
3:認知行動論
4:集団療法/コミュニティ・アプローチ
5:システム論的アプローチ・家族療法
6:森田療法・内観療法
7:子どもの心理療法
8:身体へのアプローチ
9:その他の心理療法
10:アウトリーチ
11:支援方法の選択・調整
12:支援におけるコミュニケーション
13:心理療法およびカウンセリングの限界・支援の倫理
⑯健康・医療
1:ストレスと心身の疾病
2:ストレス症状と心身症
3:予防の考え方
4:先端医療の心理的課題と支援
5:保健活動における心理支援
6:災害時の心理的反応
7:災害時の心理的支援
⑰福祉
1:福祉現場の問題と背景
2:子育てと愛着の問題
3:子育て支援と虐待
4:虐待のアセスメントと支援
5:高齢者福祉
6:認知症
7:認知症のアセスメント
8:認知症の支援
9:福祉現場のその他の心理的課題
⑱教育・学校
1:教育現場での課題
2:教育心理学の基礎知識
3:適応不全
4:スクールカウンセリング
⑲司法・犯罪
1:刑事事件への支援
2:少年事件・家事事件
3:犯罪と心理支援
⑳産業・組織
1:職場における問題と心理支援
2:労働環境と支援
3:組織論
㉑人体の構造と機能・疾病
1:心身機能・症候
2:疾病
3:依存症
4:医療の進歩と心のケア
㉒精神疾患
1:精神症状
2:診断法
3:神経発達症
4:統合失調スペクトラム
5:双極性障害
6:うつ病・抑うつ
7:不安障害・強迫性障害
8:ストレス関連障害
9:衝動制御
10:食行動障害・摂食障害・摂食行動
11:パーソナリティ障害
12:治療法
13:薬理作用
14:向精神薬の種類
㉓制度・法律
1:医療法
2:精神保健福祉法
3:地域保健法
4:医療制度
5:医療安全
6:児童にかかわる条約・基本法
7:児童虐待の防止等に関する法律
8:障害関係
9:高齢者
10:福祉分野のその他の重要な制度・法律
11:特別支援教育
12:教育分野の重要な制度・法律
13:少年法
14:司法制度
15:司法・犯罪分野に関連する施設
16:労働三法,その他
17:職場ストレスと法

付録:公認心理師法
索   引


編者略歴
松本真理子(まつもと・まりこ)
静岡県生まれ。名古屋大学名誉教授,博士(心理学)。公認心理師・臨床心理士・学校心理士
主な著書 「心とかかわる臨床心理 第3版─基礎・実際・方法」(共著,ナカニシヤ出版),「心の発達支援シリーズ4 小学生・中学生 情緒と自己理解の育ちを支える」(編著,明石書店),「災害に備える心理教育─今日からはじめる心の減災」(編著,ミネルヴァ書房),「日本とフィンランドにおける子どものウェルビーイングへの多面的アプローチ─子どもの幸福を考える」(編著,明石書店),「心理アセスメント─心理検査のミニマム・エッセンス」(編著,ナカニシヤ出版)ほか多数

永田雅子(ながた・まさこ)
山口県生まれ。名古屋大学心の発達支援研究実践センター教授,博士(心理学)。公認心理師・臨床心理士
主な著書 「心理臨床における多職種の連携と協働─つなぎ手としての心理士をめざして」(編著,岩崎学術出版社),「周産期のこころのケア[新版]―親と子の出会いとメンタルヘルス」(単著,遠見書房),「心理的アセスメント」(編著,放送大学出版),「心の専門家養成講座⑨福祉心理臨床実践」(編著,ナカニシヤ出版),ほか多数

執筆者一覧(50音順)

石川佳奈(愛知淑徳大学心理学部心理学科・講師)
板倉憲政(岐阜大学教育学部・准教授)
梅本貴豊(京都外国語大学外国語学部教養教育・准教授)
緒川和代(岐阜県総合医療センター)
葛 文綺(愛知学院大学心理学部・准教授)
加藤 仁(北陸学院大学人間総合学部・講師)
加藤容子(椙山女学園大学人間関係学部心理学科・教授)
川合明日香(大垣市民病院小児科)
川瀬正裕(金城学院大学人間科学部・教授)
清河幸子(東京大学大学院教育学研究科・准教授)
解良優基(南山大学人文学部心理人間学科・講師)
河野荘子(名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授)
小海宏之(花園大学社会福祉学部・教授)
狐塚貴博(名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授)
齋藤 梓(目白大学心理学部・准教授)
笹竹英穂(至学館大学健康科学部・教授)
サトウタツヤ(立命館大学総合心理学部・教授)
佐野さやか(豊中市教育委員会児童生徒課教育相談係)
三後美紀(人間環境大学人間環境学部・教授)
清水麻莉子(長野県立こども病院)
杉岡正典(名古屋大学心の発達支援研究実践センター・准教授)
鈴木美樹江(愛知教育大学教育科学系心理講座・准教授)
鈴木亮子(椙山女学園大学人間関係学部心理学科・准教授)
千賀則史(同朋大学社会福祉学部・准教授)
田附紘平(名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授)
田中あかり(世田谷区子どもの人権擁護機関)
玉井康之(弘前大学医学部心理支援科学科・教授・医師)
土屋美智子(日本聴能言語福祉学院聴能言語学科・教務主任/若宮ことばの支援室・言語聴覚士)
坪井裕子(名古屋市立大学大学院人間文化研究科・教授)
中田友貴(立命館大学立命館グローバル・イノベーション研究機構)
永田雅子(名古屋大学心の発達支援研究実践センター・教授)
二宮有輝(人間環境大学心理学部・助教)
丹羽早智子(日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院)
野口修司(香川大学医学部臨床心理学科・准教授)
野村あすか(名古屋大学心の発達支援研究実践センター・准教授)
野邑健二(名古屋大学心の発達支援研究実践センター・特任教授・医師)
花村温子(埼玉メディカルセンター)
平井真洋(名古屋大学大学院情報学研究科・准教授)
福元理英(日本福祉大学大学院社会福祉学研究科・准教授)
古井 景(愛知淑徳大学クリニック精神科・医師)
古井由美子(愛知医科大学病院)
堀美和子(日本福祉大学子ども発達学部・准教授)
前川由未子(金城学院大学国際情報学部・講師)
前原沙織(日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院)
町 岳(静岡大学大学院教育学研究科・准教授)
松井一裕(医療法人十全会聖明病院)
松本真理子(名古屋大学名誉教授)
溝川 藍(名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授)
三谷真優(名古屋大学心の発達支援研究実践センター研究員)
光永悠彦(名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授)
山内星子(中部大学人文学部心理学科・准教授)
山形伸二(名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授)
山上史野(金沢工業大学基礎教育部・准教授)
山脇望美(人間環境大学心理学部・講師)
兪 幜蘭(宮城学院女子大学教育学部・准教授)
横山佳奈(名古屋大学心の発達支援研究実践センター・特任助教)
若林紀乃(静岡大学教育学部・講師)

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