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176-4 佐藤アンガーマネジメント

イライラに困っている子どものためのアンガーマネジメントスタートブック
――教師・SCが活用する「怒り」のコントロール術

佐藤恵子 著
(一般社団法人 アンガーマネジメントジャパン代表理事・臨床心理士)

定価2,000円(+税) A5判 160頁 並製
ISBN978-4-86616-076-4 C0011
2018年11月発行

イライラしたときはどうしたらいいの?
怒りの感情をコントロールできずに友達や周囲の人にきれてしまい,相手を傷つけたり,自分が傷ついたりする子ども達のために,怒りとの上手な付き合い方を学ぶアンガーマネジメントを導入しよう!
本書は,ストレスへの対処法,イライラしやすい自分の考え方のクセを知ること,他者との円滑なコミュニケーション法など,大人にとっても子どもにとっても,すぐに役立ち,ずっと使える知識が満載。
長年,小学校・中学校にアンガーマネジメントを広める活動を続けてきた著者による,アンガーマネジメント入門書です。


目 次
第1章 アンガーマネジメントとは何か
第2章 アンガーマネジメントの実践
第3章 子ども達の現状
第4章 発達段階に応じたアンガーマネジメント
第5章 大人が変われば子どもも変わる
第6章 学校教育にアンガーマネジメントを!

★ 本書をお買い上げの方は,小社HPより,本書で紹介しているアンガーマネジメントのワークシートをダウンロードできます。

著者略歴
佐藤 恵子(さとう けいこ)
一般社団法人アンガーマネジメントジャパン 代表理事
東京国際大学大学院臨床心理学研究科 臨床心理学専攻博士課程(前期)を修了後,臨床心理士の資格取得。アメリカにてアンガーマネジメントを学ぶ。
精神科クリニック勤務を経て,東京都公立小学校・中学校の元スクールカウンセラー。10年前より学校にアンガーマネジメントを伝え,カリキュラムとして導入される。現在,私立中学校・高等学校にスクールカウンセラーとして勤務しながら,教育分野では教員や保護者対象の研修・講演等を行っている。また,小学生・中学生・高校生向けのテキストの研究・開発,小学生対象のワークショップや中学生対象の授業も実施している。福祉・医療分野では援助職対象の研修,企業においてはメンタルヘルスやパワーハラスメント防止の研修を行っている。
主な著書
『怒りの裏側にあるもの―心の扉を開けたその先に』文芸社,『先生と子どもの「怒り」をコントロールする技術』ナツメ社,小学生向けテキスト『アンガーマネジメントプログラム―笑顔の毎日 自分の気持ちと上手につき合おう!』一般社団法人アンガーマネジメントジャパン,中学生向けテキスト『怒りやわらかステップ―自分の気持ちと上手に付き合うためのアンガーマネジメント』怒りやわらかステップ作成委員会,『アンガーマネジメントStep upⅠ(応用編)』一般社団法人アンガーマネジメントジャパンなど
一般社団法人アンガーマネジメントジャパン http://www.amjapan.or.jp/


はじめにより抜粋
❖ 自分の感情を大切にするということ
今,暴力を振るう子ども,いじめをする子ども,じっと我慢をしてしまう子ども,みんなが「自分の感情(気持ち)」に向き合う時間が必要です。この怒りは何に対して? この悔しさは何に対して? この悲しみは何に対して?   子ども達だけではなく,大人も自分の感情に向き合う時間が必要だと思います。
現代のIT技術の進歩は,学校や企業においてさまざまなメリットをもたらしています。教育分野では,遠隔授業の実施,疑問点の解決や新たな発見ツールとして活用され,企業ではテレビ会議が行われるなどたくさんの恩恵を享受しています。
一方では,何か失われているように思います。何か大切なものが置き去りにされているようで仕方ありません。その何かとは,「感情」です。
終わりのない子ども達の不登校,暴言・暴力そして自殺が,私達大人にメッセージを送っているように思えてなりません。
子ども達には,自分の感情を伝える場所と時間が必要です。自分の感情を聴いてくれる人が必要です。そのような時間,場所,人に出会い,自分の感情を伝え,聴いてもらえる経験を重ねることで,人は硬くなっていた心を緩めることができるのです。
❖ アンガーマネジメントが授業に導入されて
私は,アンガーマネジメントを8年前に公立中学校に伝えました。伝えたかった理由があります。その理由は,いじめ,暴力や暴言,そして自殺の要因の一つに,子ども達の感情のコントロールの難しさがあると感じたからです。日常生活の中で子ども達を見ていても,「ふつう」「別に……」「無理,無理」「わかんない」などの短い単語で自分の感情を表す子ども達が増えてきています。ネガティブな感情はあるけれど,何事もないかのように平気な顔をしている,問題や悩みを抱えていてもそれに向き合うことを恐れている,あるいは回避している子ども達が多くなったと思います。
このまま行ったら,いじめなどの問題行動が減ることはなく,むしろ増えていくのではないかと危惧しました。
今の仕事につく前は,異年齢の子ども達と一緒に身体表現活動をしていました。そこでは子ども達がお互いの気持ちをぶつけ合う場所と時間がありました。しかし,今の子ども達には,そのような時間と場所がなく息切れしてしまい,いつか心の闇を抱えながら,自分も他者も傷つけながら生きなくてはならない時代が来てしまうのではないかと思ったのです。
このような考えを,当時スクールカウンセラーとして赴任した学校の校長先生に伝え,教師への研修からスタートしました。私は,学校の授業の中に,アンガーマネジメントを学ぶ時間が必要だと考えています。教師が授業者となりアンガーマネジメントを伝えるのです。そのために,教師自身がアンガーマネジメントを学びます。これだけさまざまな問題が起こり,それらに対応しなくてはならない教師も,困難,戸惑いを抱え,ストレス状態であると思います。
だからこそ,教師が自分の感情に向き合うことで,子ども達の感情を理解でき,その結果お互いを理解することができると思います。大人も子どもも,人間には感情があります。人間は感情があるからこそ,お互いにつながることができるのです。大人や子どもという枠を超えて,感情について学び,つながることができるのがアンガーマネジメントの授業なのです。教師も子どもの時代がありました。だから,きっと経験したことをふまえ一緒に子ども達と考えたり話し合ったりすることができ,一緒の時間と空間を味わえるのではないかと思います。
❖ 大人にも必要なアンガーマネジメント
教師だけでなく,親にとっても多忙な毎日の中,アンガーマネジメントを学ぶことは,ご自身を振り返る大切な時間となります。
学校で心のケアに携わるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーにもアンガーマネジメントを知っていただき,子ども達とのかかわりにぜひ,アンガーマネジメントを生かしていただきたいと思います。
さらに,子ども達の日々の生活や学校生活を支えてくださっている地域の方々にも,子ども達の問題を少しでも減らすために,アンガーマネジメントを知っていただきたい。そして将来,どの人ともアンガーマネジメントを通じてつながっていきたいと考えています。
私が実践してきたことをこの本の中に記しました。本書をお読みいただき,学校現場で働く皆様の日々の活動に活用していただければ,こんなに嬉しいことはありません。