電話相談活用のすすめ 心の危機と向き合う[オンデマンド版]
吉川武彦・高塚雄介 編(2,650円+税)ISBN978-4-86616-023-8◆本書は,電話相談のベテランたちによる電話相談をよりよいものにするための読本です。社会世相の変容から,子どもから大人まで潜在的な電話相談のニーズは増えていますが,しかし,声だけを頼りに電話で人の悩みに対応することは難しいものがあります。
相談員としては,世の中に起きているさまざまな現象の背景に何が起きているかを認識するとともに,電話相談によりそれに対してどこまで対処できるかということを常に検証していくことも求められています。
この本ではそうしたことを踏まえつつ電話相談に関して基本的に認識してほしいことを盛り込んでみたつもりです。
多くの電話相談に関わっている方,これから電話相談に関わりたいと思っている方にとって,最良の1冊となりました。
働く人びとのこころとケア──介護職・対人援助職のための心理学
日本福祉大学教授山口智子編(2,600円+税)ISBN978-4-904536-76-6◆人の役に立ちたい,人を育てたいと思って,専門職を志し,時間と労力をかけて,資格を取得し,職に就いたにもかかわらず,仕事が続けられない状況に追い込まれるのは,なぜなのだろう?
本書は,産業心理学の理論と臨床実践を紹介しながら,人びとが生き生きと働くためには,どのようなことが役立つのかを考えたものです。人と人とが支援というサービスをする者と受ける者に分かれる「対人援助職」。特に,現代社会では「ケアの外注化」が進み,医療・福祉,介護に対するニーズ が高まり,巨大な産業となっていますが,離職率も高く,うつや燃え尽きなど心理的な問題を抱えることも少なくありません。こうした課題にどう向かっていけばいいのか。対人支援の現場を中心にした,新しい産業心理学を模索します。
子どものこころを理解する 学校支援のための多視点マップ:始め方・使い方
(愛知大学文学部人文社会学科心理学コース)木之下隆夫編(2,800円+税)ISBN978-4-904536-62-9◆SCと教師が子どものこころを共通理解するための地図
子どものいじめや不登校の問題,多忙な教師のこころの健康問題など,学校をめぐる問題が深刻化している。そうした中でスクールカウンセラー制度が導 入されて18年,蓄積された経験を次のステップにつなげる時期が来ていると言えよう。教師と専門家(SC)の連携をさらに深めるべく,子どものこころを理 解するための地図として,「こころの多視点マップ」を作成した。マップは子どもの関係性,悩む力の発達度,現象形態(症状)の3つの軸からなり,子どもの 状態が一目で分かるようにデザインされている。この実践的な新しい理論モデルを大いに活用してほしい。
具体的な活用例も豊富に掲載した,学校支援に役立つ1冊。