緊急支援のためのBASIC Phアプローチ ――レジリエンスを引き出す6つの対処チャンネル
ムーリ・ラハド,ミリ・シャシャム,オフラ・アヤロン編、佐野信也・立花正一監訳、新井陽子・角田智哉・濱田智子・水馬裕子・丸田眞由子・岡田太陽・柳井由美訳(3,600円+税)ISBN978-4-86616-030-6◆イスラエルで市民のストレスケアと予防に取り組んできた中で生まれた援助モデル「BASICPh(ベーシックピーエイチ)」。本書はその理論と方法,紛争地や被災地における実践を詳解しています。
人は危機に直面した時,様々な対処(コーピング)方法を用いており,それは,Belief(価値・信念),Affect(感情・情動),Social(社会的),Imagination(想像),Cognition(認知),Ph ysiology(身体)の6つのチャンネルに分類できます。BASICPhモデルとは,そのチャンネルに合わせた支援を行うことで,危機にある人々のレジリエンスを引き出す援助アプローチです。
条件反射制御法ワークブック――やめられない行動を断ち切るための治療プログラム【物質使用障害編】
(医療法人社団ほっとステーション大通公園メンタルクリニック院長) 長谷川直実著(独立行政法人国立病院機構下総精神医療センター薬物依存治療部長兼臨床研究部長)平井愼二著(1,200円+税)ISBN978-4-86616-013-9◆覚醒剤や危険ドラッグ,アルコールなどをやめられなくなる物質使用障害は,物質摂取に向かう条件反射が成立しているため,意思の力だけでは抜けられなくなっています。そこで,欲求の起こらない新しい条件反射を身につけ,物質摂取へ向かう条件反射を徹底的に弱めることで嗜癖を断ち切る治療法が条件反射制御法です。
本書は,デイケアや病棟,外来,刑務所,少年院,保護観察所,回復支援施設などで,物質乱用のメカニズム,症状,問題,離脱のための取り組みなどを学びながら,同時に条件反射制御法のステージを進めていくためのテキストです。
こころの原点を見つめて──めぐりめぐる乳幼児の記憶と精神療法
(クリニック小倉)小倉清・(西南学院大学)小林隆児著(1,900円+税)ISBN978-4-904536-99-5◆治療の鍵は,乳幼児期の記憶。その記憶は,人間の一生に深い影響を与える。本書は,児童精神科医として稀代の存在である小倉と,発達障碍の臨床実践・臨床研究において第一人者である小林による論文・対談を収録した1冊である。「乳幼児期のことを思い出して、ああだったこうだったと言って興奮したり涙を流したりすること自体が治療だと思う」とする小倉と,臨床実践や調査・研究から母子の関係性と病理を解明してきた小林による治療論。子どもから成人まで多くの事例をもとに,こころが形作られる原点をめぐる治癒を探る。