ナラティブ・メディスン入門
小森康永著(2,500円+税)ISBN978-4-904536-90-2◆病に苦しむ人達にとって,それがどんな体験かを自分自身が知ること,その苦境を人に知ってもらうことが切実な問題となる。ナラティブ・メディスンは,医療従事者が患者の病いの物語を聴き取り,理解し,誠実に寄り添うための能力を育てることを提唱する。
本書は,シャロンの『ナラティブ・メディスン』をひもとき,精密読解,パラレルチャート,アウトサイダー・ウィットネスなどの方法論を具体例を交えて分か りやすく解説するとともに,WCウィリアムズやRコールズ,HMチョチノフらの実践から文学的手段の活用法を探った。また,日本における著者らのナラティ ブ・メディスンの刺激的な試みも紹介している。
より人間的,倫理的,効果的なケアを実現するためのナラティブ・メディスン入門書。
協働するナラティヴ
ハーレーン・アンダーソン/ハロルド・グーリシャン/野村直樹著野村直樹 訳(1,800円+税)ISBN978-4-904536-56-8◆ナラティヴ・セラピーの始まりは,この論文からだった!
1988年,世界の心理療法業界をリードする雑誌「ファミリー・プロセス」誌に1つの論文が掲載された。
「言語システムとしてのヒューマンシステム──臨床理論発展に向けてのいくつかの理念」。
著者は,ハーレーン・アンダーソンと,天才的臨床家ハロルド・グーリシャン。無知の姿勢,ナラティヴ,コラボレイティヴ……新しいアイデアに溢れたこの論文は,現在の心理療法に絶大なる影響を与えることになる。
この論文の全訳と,共同研究者であったアンダーソンと野村とのやりとりを踏まえ,1冊の本も残さなかったグーリシャンの,アイデアの核心を探る。
危機への心理支援学――91のキーワードでわかる緊急事態における心理社会的アプローチ
日本心理臨床学会監修
日本心理臨床学会支援活動プロジェクト委員会編(3,000円+税)ISBN978-4-904536-14-8◆大規模な自然災害や社会を揺るがす事件や事故はもちろんのこと,身の回りの個人的な喪失や悲嘆など,〈危機〉は人の人生に大きな影響を与えます。
家族や友人,地域などの支援により多くは回復をしていきますが,トラウマの種類や本人の性格特性や置かれた環境によっては重篤な精神症状に陥る場合も少なくありません。
本書は,こうした危機と,危機への心理支援に関する91のキーワードを詳しく解説したものです。
執筆には,この分野で活躍する第一級のスペシャリストたち。
日本心理臨床学会監修,同学会 支援活動ブロジェクト委員会編集による本書は,これからのクライシスへの支援の基本図書となるでしょう。
大学・大学院などのテキストにもおすすめします。