愛着とトラウマでつらい子どもとの日々──家族支援の中で教わったこと
愛着とトラウマでつらい子どもとの日々──家族支援の中で教わったこと
| 著者 | 中垣真通 |
| 出版年月 | 2026年10月 |
| ISBN 図書コード | 978-4-86616-259-1 C0011 |
| 判型 | 四六判並製 |
| ページ数 | 192 |
| 定価 | 2,500円(+税) |
内容紹介
傷ついた子どもたちと生活する児童福祉施設。その長年の実務経験をもとに子どもたちの幸福をどう培っていくのかを問いかけたのが本書である。
「愛着(アタッチメント)」「トラウマ」「家族支援」「援助関係」──これらをキーワードに,著者が経験をした多くのケースを交えて,子どもたちとの日々を振り返る。
子どもを支援する多くの人に読んでいただきたい一冊である。
主な目次
第1部 愛着(アタッチメント)のこと
第1章 子どもがピトッとしたいのがアタッチメント
第2章 「安全基地」から人生が始まる
第3章 世界は僕の重みを受け止めるのか
第4章 子どもは安心を受け取る側にいればいい
第5章 不安から解放されることで巣立っていける
第2部 トラウマのこと
第6章 自分の意思で止められないのは苦しかろう
第7章 本人と協働して安心の構築から始める
第8章 知ることと語ることが回復の力になる
第9章 その場面が本当に見えている
第3部 家族支援のこと
第10章 親子関係は善悪や正誤に収められない
第11章 家族の力が子どもを幸せに導く
第4部 援助関係のこと
第12章 気持ちを分かち合えると幸せが増える
第5部 さらに一言
第13章 恐怖と不安を体験しているというアセスメント
第14章 家族みんなを思い描く家族支援
第15章 〝加害者〟を受容する
はじめに
まず、自己紹介をさせていただきます。私は「子どもの虹情報研修センター」という研修センターに勤務していて、児童虐待に関係するさまざまな研修を実施し、子どもや家族を支援する現場で働く専門職の方々をバックアップする仕事をしています。
この研修センターに転職する前は、県職員として精神科病院、児童相談所、児童心理治療施設、精神保健福祉センターなどで、主に心理職として働いてきました。さまざまな臨床現場に転勤させてもらったので、幅広い分野で心理支援に携わる機会をいただきました。カウンセリングや心理検査はもちろんのことですが、宿直勤務のある生活支援も経験しましたし、アウトリーチによる緊急支援や自殺予防のための公衆衛生事業を担当したこともありました。
いろいろな現場でさまざまなつらさを抱えた子どもや家族とやり取りをしてると、彼らが背負っている不条理が私にも実感として伝わってくる言葉に出会うことがありました。そのような言葉は、何気ない会話で自然に発せられることが多いのですが、専門書の数ページに匹敵する、もしくはそれ以上のことを教えてくれる雄弁な言葉だったと思い起こすことがあります。
この本では、私なりに読者の皆様の臨床実践に役立つのではないかと思うテーマを取り上げて、それにまつわる子どもや家族の言葉や語りを紹介していきたいと考えています。テーマと関連する用語や理論も説明しますが、手短に柔らかな解説をするに留めておこうと思います。というのは、できるだけ直観的にイメージを掴んでいただきたいと思っているからです。子どもや家族が発した雄弁な語りの力によって、読者の皆様に実践的な感覚として受け止めていただくことを目指しています。このように言うと聞こえが良いかもしれませんが、言い換えれば、一介の臨床家が独断的な解釈に基づいて、個人的な経験を紹介している本ということでもあります。賢明なる読者の皆様にあっては主体的に判断を働かせ、自らの体験や意見と照らし合わせながら本書を楽しんでいただければ幸いです。
著者略歴
中垣真通(なかがき・まさみち)
公認心理師・臨床心理士、子どもの虹情報研修センター研究部長
1991年4月、静岡県に入庁。精神科病院、児童相談所、情緒障害児短期治療施設、精神保健福祉センター、県庁等に勤務。
2015年4月、子どもの虹情報研修センター研修課長、2019年4月から同研修部長、2025年4月から同研究部長。現在に至る。
日本公認心理師協会災害支援委員会委員、日本臨床心理士会児童福祉・子育て支援委員会委員、日本家族療法学会教育研修委員会委員など。
主な著書に、『緊急支援のアウトリーチ─現場で求められる心理的支援の理論と実践』(共編、遠見書房、2017)、『興奮しやすい子どもには愛着とトラウマの問題があるのかも─教育・保育・福祉の現場での対応と理解のヒント』(西田泰子・市原眞記との共著、遠見書房、2017)、『日本の児童相談所─子ども家庭支援の現在・過去・未来』(川松亮ほか編、明石書店、2022、分担執筆)など。
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