コミュニティ・アプローチの実践――連携と協働とアドラー心理学
本書は,地道に研鑚を積んできたコミュニティ臨床の事例を数多く集めた実践の本であり,そこから生まれたアドラー心理学との統合モデル「アドレリアン・コミュニティ・アプローチ」の提唱や,ベテラン臨床家らの臨床論などを盛り込んだ意欲的な論考集でもある。クライエントや家族,関係者,多職種が入り混じる実際の臨床現場。こうした臨床の実際のなかで心理職の基本的スキルとして必要とされているのが,コミュニティ・アプローチである。
コミュニティのなかでどう動き,どう協働を図り,どう効果ある実践を行うのか。個から小集団へ,そしてコミュニティへと展開をするためにはどこに視点を持てばいいのか。本書は,コミュニティ・アプローチの実際をすべて描いたもので,多くの読者の臨床現場で役立つ一冊である。