対象関係論の源流――フェアベーン主要論文集
W. R. D. Fairbairn著、相田信男監修、栗原和彦編訳(5,000円+税)ISBN978-4-86616-031-3◆「対象関係論」という言葉を初めて用い,フロイト以後の精神分析学の理論的な整備と発展に大きく寄与した独創的な臨床家フェアベーンの主要論文集。
フェアベーンは,フロイトやクラインの主張に対して,「リビドーは一義的に快楽を求めているのではなく対象を求めている」「こころの基本的なポジションは常にスキゾイド的なポジションである」と主張した。
臨床経験に根ざした独自の視点から,より治療的・臨床的な道具としての精神分析を目指した孤高の精神分析家の思索を辿る。
私のキャリア・ストーリー[書き込み式ワークブック10冊セット]:ライフ・キャリアを成功に導く自伝ワークブック
マーク・L・サビカス著日本キャリア開発研究センター監修水野修次郎監訳・著加藤聡恵訳(2,800円+税)ISBN978-4-86616-022-1◆「ライフデザイン・カウンセリング」を実際の面接場面で活用するために,サビカスらの手で作られたのが,「私のキャリア・ストーリー―ライフ・キャリアを成功に導く自伝ワークブック」です。これは,16頁からなる面接時の記録用紙(冊子)であり,面接が無事終了したときには,クライエントの新しい伝記ともなるものです。また,面接だけでなく,個人で行うことや,グループや授業や研修などでも利用することも可能です。人生の意味や目的を探し,強化するときに,ガイドブックとして使ってみるのはいかがでしょうか。
働く人びとのこころとケア──介護職・対人援助職のための心理学
日本福祉大学教授山口智子編(2,600円+税)ISBN978-4-904536-76-6◆人の役に立ちたい,人を育てたいと思って,専門職を志し,時間と労力をかけて,資格を取得し,職に就いたにもかかわらず,仕事が続けられない状況に追い込まれるのは,なぜなのだろう?
本書は,産業心理学の理論と臨床実践を紹介しながら,人びとが生き生きと働くためには,どのようなことが役立つのかを考えたものです。人と人とが支援というサービスをする者と受ける者に分かれる「対人援助職」。特に,現代社会では「ケアの外注化」が進み,医療・福祉,介護に対するニーズ が高まり,巨大な産業となっていますが,離職率も高く,うつや燃え尽きなど心理的な問題を抱えることも少なくありません。こうした課題にどう向かっていけばいいのか。対人支援の現場を中心にした,新しい産業心理学を模索します。
働く人と組織のためのこころの支援 ──メンタルヘルス・カウンセリングの実際
(専修大学教授)乾吉佑 著(3,200円+税)ISBN978-4-904536-28-5◆働く人びとを支える心の専門家のために
本書「働く人と組織のためのこころの支援」は,産業心理臨床・産業カウンセリング領域において,20年以上におよぶ豊富な経験をもつ著者による臨床書である。
一対一の個人への相談から,環境調整などの組織への関与,会社全体へのコンサルテーションなどこの分野全般を網羅しており,男女と問わず若手からリタイア直前の職員までの多彩な事例研究を核として,この分野の専門家のためにさまざまな示唆・提言がされているものである。
本書は,産業カウンセラーや産業分野で活躍する臨床心理士をはじめとして,保健師や産業医療関係者,人事の担当者など,多くの専門家にとって必読書である。