【完ぺきな親なんていない】 子どもの感情・親の感情──子どもの気持ちにどうこたえてあげたらいいの?
カナダ・公衆衛生局著Nobody’s Perfect Japan(NPJ:原田正文代表)監修幾島幸子訳Public Health Agency of Canada (2007) “Feelings ”(600円+税)ISBN978-4-904536-09-4◆子育ては、完ぺきじゃなくても大丈夫!──そんなふうに思っていても、一生懸命神経質にやってしまう。ちゃんとやっているつもりでも、不安になる。いろいろと問題があって、そのたびにあちこちに相談したくなる。でも、相談相手は、なかなかいないし、実家は遠いし、近くに知っている人はあまりいないし……。そんな迷える親たちに、「完ぺきな親なんていないよ」と提言する親への支援プログラム「Nobody’s Perfect」の、一番新しい親用プログラムの本が生まれました。カナダで生まれ,世界的に普及し、日本全国でも子育て支援のプログラムとして採用され ている,最良のメソッドです。
「甘え」とアタッチメント──理論と臨床
(西南学院大学)小林隆児・(東京大学大学院教育学研究科)遠藤利彦編(3,200円+税)ISBN978-4-904536-48-3◆子どものこころの臨床に活かすために
土居健郎の「甘え」理論とボウルビィのアタッチメント理論の歴史と現況を丁寧にたどり,実践者としても名高い執筆者らの手によって融合を試みたものです。成人の深刻な精神病理を示す患者の治療において,乳児期の体験の重要性が明らかになってきました。こうした状況のなかで,臨床の世界において,乳児期のアタッチメント体験の質的検討に注目が集まっています。行動面に着目し,実証的な科学として発展してきたアタッチメント理論と,その子どものアタッチメント行動の背後にある,「甘え」理論。この両概念の理論的な架橋を試みた意欲的な本書は,多くの臨床家にヒントを与えるものになるでしょう。